厳しい就活で大手企業の内定を勝ち取り入社できたのに、配属されたのは希望と全然違う部署。
「こんなはずじゃなかった・・」と落胆している新入社員の人もいるのではないでしょうか。

厳しい言い方になりますが、大手企業の新入社員の配属で自分の希望通りになると思っているのは、ちょっと甘かったかもしれませんね。
また、大手企業ではキャリアパス制度やジョブローテーションといわれる長期的な人材育成により配属を決める傾向にあります。
よって、自身の希望があったとしても短期的にキャリアアップはできないと考えるのが適切でしょう。
結論として、配属ガチャで負けたと考える人は以下の2つの選択肢のいずれかを選ぶことになります。
- 大企業で長期的なキャリア形成を受け入れる
- 今すぐ「やりたい仕事」でキャリアアップを目指す
この記事では、配属の決め方や配属ガチャに負けた理由をみながら、上記2つの選択を決める判断の基準となるポイントを紹介します。
この記事を書いた人

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- ITベンチャー企業の採用担当者(5年目)
- 内部監査業務も経験
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この記事で分かること
配属ガチャの意味とは?

新卒入社で希望の職種や配属部署の結果がどうなるかわからないことから「配属ガチャ」といわれています。
ガチャは、玩具売り場でカプセルに入っている販売機やソーシャルゲーム(基本は無料ゲーム)で何が出てくるかかわからない仕組みのため、すべては運次第ということを表現しています。

最近は不運な自分を揶揄するように「〇〇ガチャ」と使われることが多いですね。
今回は配属先が希望と異なった、あるいは嫌な上司のいる部署に配属が決まったなど「配属ガチャ」に負けたたとして、暗に大手企業の人事を皮肉った言葉といえますね。
特定の部署に強い希望を持っていた新入社員なら絶望感や焦りから離職を選ぶことも珍しくないでしょう。
配属の決め方とは?

新卒入社の配属の決め方は企業によって異なるため残念ながら公言ができません。
企業の配属の決定は、適性を考慮したり欠員が出た部署に優先的に配属するなど、その企業の経営方針や社風に影響されるといってもいいでしょう。
ただ、最近の大手企業の配属の決め方は、年功序列、終身雇用から社員が目指せる役職やスキルの積み重ねを明確化した「キャリアパス制度」導入する大手企業が増えています。

大企業の新入社員の配属は20代のうちに2~3つの部署や支社に異動させて、30代半ばには管理職に就かせるケースが多いとされています。
このキャリアパス制度の企業側のメリットは以下のようなものがあります。
・優秀な人材を繋ぎ止められる
・人材の育成ができる
・将来てきな業績アップにつながる
事例として以下のような大阪ガスグループのキャリアパスを意識した人事制度を紹介します。

上記のような取り組みはブラックボックス、あるいは画一的だった人事が透明化され、長期的なキャリ形成を提案しています。

なるほど!これだけの人事制度があれば、長期的に働こうと思いますよね。
新卒入社の人にとって、配属先がどのように決められるのかはとても気になるところですが、たとえ配属が希望通りにならなくとも、長い目で企業側が提案するキャリアパスをどう歩むのかを考えてみてもよいでしょう。
キャリア形成については、信頼できる先輩や両親にも相談してみることも大切ですよ!

「配属ガチャ」に負けたと感じる理由
配属ガチャに負けたと感じる理由は人によってさまざまです。ここではそれぞれの理由について解説していきます。
配属ガチャに負けたと思う理由
- 理系・文系出身なのに希望部署に配属されない
- 配属先の上司と合わない
- 新卒入社で地方に配属される
理系・文系出身なのに希望部署に配属されない

理系や文系の学部を出たのに適正な配属されなかったというケースです。
大学で各分野で専門的な勉強をしたにもかかわらず、理系で営業職へ回されたり、文系でもマーケティングや商品企画など希望部署に配属されなければショックを受けるのも仕方ありませんよね。
マイナビのアンケートでは以下の結果が出ていました。
マイナビのアンケート調査結果では、新卒入社に配属先が希望通りであるかの質問に対して、希望通りに採用されたのは文系は60.5%、理系は73.5%でした。
この数字を見ると「希望通りが多いのかと・・」落胆するかもしれませんが、内訳を見ると人気の広報や企画、商品開発については34.5%とかなり低い割合となっています。
引用元:2020年新卒のみなさんに入社半年の状況を伺いました|マイナビ
近年ではキャリアパス制度など企業側としては、配属に際して面談を行ったり、離職者を減らす取り組みをする企業も増えています。
しかし、大人数の新入社員がいる大手企業は希望通りに配属されることはなかなか難しいのが現状でしょう。

人気の部署は競争率が非常に高くなるため、優秀な人材が多くいれば配属も難しくなりますよね。
配属先の上司と合わない

配属先で嫌な上司になった場合にも「配属ガチャ」もしくは「上司ガチャ」に負けたと落胆するケースです。
嫌な上司のケースは以下が考えられるのではないでしょうか。
・威圧的でパワハラをする
・責任を取らず部下に責任転嫁する
・自分で決断せず頼りない
・仕事しない
上記の通り、上司は選ぶことはできず、運要素として大きいのも事実ですね。
しかし、残念ながら上司や同僚も含めて会社の人の好き嫌いは、どんな会社でも避けることはできません。
そこでオススメしたい対処方法として「自分の考え方を変える」考えを持つことです。
人は自身の価値基準で好き嫌いを決めており、思い通りの行動をしないと強い拒否感が出てしまうからです。

相手の行動を変えることはとても難しくまた労力もいるため、それなら自分の考えを変える方がまだハードルが低いのです。
合わない上司の以下のような対処方法がおすすめです。
- 上司の良いところを探してみる
- 信頼関係を築く努力をしてみる
- 仕事だから割り切って考えてみる
もちろん、上記のように簡単には上司に寄り添うことができず、仕事を辞めたいという気持ちにもなるかもしれません。
その場合も含めて対処方法をこちらの記事「上司ガチャ」ハズレを引いた時の対処法|早まった転職はNGで詳しく解説していますので是非参考にしてください。
新卒入社で地方に配属される

東京など都市部を希望していたにもかかわらず、地方の支社に配属になって落ち込んでしまったケースもあるでしょう。
以下のような理由で落ち込んでいるのではありませんか?
・左遷されたのではないか
・慣れ親しんだ土地を離れるのが辛い
・友達や恋人と離れてしまうことに寂しい
地方勤務はドラマなど左遷のイメージが強く、自分は会社から評価が悪いと落ち込んでしまいがちです。
しかし、大企業では新卒入社で地方配属はすでに紹介したキャリアパス制度の一環であったり、ジョブローテーションといわれる社員の長期的な育成を目的とした配属が多く決してあなたの評価が悪いわけではありません。

そうは言っても先が見えない地方配属であれば、どうしても不安になりますよ…
それなら地方配属のメリットを考えてみるといいですよ。

地方配属では以下のようなメリットもあります。
- 地方の業務なら自身の裁量で仕事ができる可能性が高い
- 入社1~2年目でマネジメント経験が積める
- 地方での業務経験や人脈が今後に生きてくる
上記のメリットは、地方業務は本社など大きい部署に比べて少人数での仕事が多くなります。そのため新人でも一定の裁量が与えられる可能性が高いといえるでしょう。
地方配属はデメリットを考えるのではなく、まずメリットを考えることで前向きに考えることができるでしょう。
「配属ガチャに負けた」時に退職するか残るかの判断基準

日本大手企業は配属の決定は、キャリアパス制度を取り入れている一方で、会社の意向に沿った働き方をする就社のデメリット部分が根強く残っている企業があるのも確かです。

就社とは安定した大企業に入社すれば安泰だが、会社に働き方を強制され会社に忠誠を誓う意味として使われることが多いですね。(もちろんその経営者のビジョンに共感して入社という良い意味もありますよ。)
配属が自分の希望通りにならない場合に冒頭でお伝えした通り、やはり選択肢は以下のどちらかになるでしょう。
配属ガチャに負けたと考えても、社会人として魅力的な人材になるために割切れるなら退職する必要はありません。
一方で、どうしても自分の就きたい仕事や職種ですぐに実績を積んでいきたいなら、しっかりとキャリアプランを練ってから退職を考えましょう。
大企業で長期的なキャリア形成を受け入れる場合

配属ガチャに負けたと落ち込んでも、前向きに今後のキャリア形成のためと割り切ってみましょう。
配属ガチャがあるほどの大手企業なら、福利厚生や整った労働環境で働けるのはとても恵まれた環境です。
その恵まれた環境で充実した教育制度を利用しながらキャリア形成を目指すのは賢い選択ではないでしょうか。

将来を見据えたキャリアを積むための修行期間と割り切って、新人ならがむしゃらに働いてみればいいのです。
また、以下を意識することで希望通りにならなかった配属を乗り越えていくことができ出来るでしょう。
- ビジネススキルを積むことに専念する
新卒入社は社会経験を積むことが何よりも重要なのです。 - 割り切って1年は我慢してみる
1年働くその部署でやりがいを感じられるようになるかもしれません。 - 同期に話を聞いてみる
同期入社にも近況を聞いてみる。総合的に考えるとあなたの方が良かったかもしれません。
何も実績がない新卒社員が最初から希望する部署や職種まで自分の思い通りにいく人はごく一部です。
今すぐに会社を辞めるのではなく、今後のキャリア形成のために初職で基本的な社会経験を積むことが大切でしょう。
まずは、1年を通して社会人として働いてみると色々と見えてくることもあります。

私も初職で希望ではない営業になりましたが、基本的なビジネスマナーや営業のやりがいを学ぶことができたので今では感謝しています。
今すぐ「やりたい仕事」でキャリアアップを目指す場合

配属がどうしても納得がいかず1日でも早く専門分野や希望職種での経験を積んで1人前になりたいと考えるなら、転職を考えるのも一つの選択です。
ただし、新卒入社で実績がない転職は第二新卒扱いとなり、ハードルが高くなることは覚悟しておきましょう。
離職を決断する前に以下をもう一度振り返ってみましょう。
- 仕事の価値観(働くときに重視するポイント)
- 業界のリサーチ(上記の価値観と合致するか)
- 未経験だがアピールできる点(アピールできるポイントは何か)

特に仕事に対する価値観と自分が就きたい仕事にギャップがないかは重要です。事前に調査しておくことで転職ギャップを避けられます。
仕事の価値観と就きたい仕事のギャップは以下のような事例が考えられるでしょう。
・ハードワークな仕事なのにプライベートを優先
・高い年収が望めない職種なのに高い年収を望む
・資格がないと就けないのに資格を持っていない
新卒入社の場合、仕事に対する憧れや良いイメージで仕事選びの本質を理解できていないケースはよくあることです。
もし転職へ踏み出すなら誰に相談すればいい?
どうしても転職をしたいなら就職・転職相談できる窓口を訪みると良いでしょう。

新卒入社ですぐに転職を考えても、経験が浅いため適正な判断ができないからです。
まずは情報を集めながら自分の希望している職種が自分の価値観と合致しているか確認しましょう。
そして、自分が何をしたいかの確認も含めて第三者に意見をもらうのがベストでしょう。
無料で相談てきる転職支援会社があります。多くの転職ノウハウがあるので担当カウンセラーがついて、あなたを客観的にアドバイスしてくれるでしょう。

私も過去に転職で利用しましたが、各社転職ノウハウがあり、客観的なアドバイスをもらいました。転職について情報が少ない人は利用した方がいいでしょう。
社会人経験3年未満の第二新卒や既卒向けの転職支援会社は以下がおすすめです。
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上記以外にも新卒ですぐに辞めて転職先が見つかるかなどの悩みについて紹介した「第二新卒・既卒に強いおすすめ転職エージェント|就活の方法も解説」の記事を参考にしてみてくださいね。
5年後10年後を見つめて頑張ってみる
この記事では、配属ガチャに負けた時の考え方についてお伝えしてきました。
残念ながら社会人になると学生の時のように自分の思い通りにいくことが極端に少なくなります。
新卒で配属ガチャの考え方
- 大企業の配属は戦略的な人材育成のため落ち込む必要はない
- 就社と就職という考えに着目する
- 日本の大企業は就社の考え方が多い
- 割り切った考えができるなら頑張ればいい
- キャリアを積みたいなら転職もあり
- 仕事に対する価値観とリサーチは重要
特に社会人1年目の新卒入社の人は、この理不尽な配属に落ち込んだり、悔しく感じているでしょう。
しかし、これはある意味洗礼のようなもので、配属以外にもこれから辛いこともたくさんあります。
配属ガチャに負けたと思うなら、後悔しない自分の思う道を進んでくださいね。