年1回の昇給なしとなれば、絶望を通り過ぎて「昇給がないのは違法じゃないのか?」と怒りを感じるのは当然です。

私も昇給なしだった経験ありましたよ‥。頑張って来たこの1年はどうしてくれるんだと!
結論を言うと昇給なしでも違法ではありません。
これは正社員、契約社員、パートなど関係なく、すべての雇用形態でも同じです。
この記事では違法でない理由を解説しながら、モチベーションが上がらず辛い時の対処法をお伝えします。
この記事を書いた人

- 5回の転職経験あり
- ITベンチャー企業の採用担当者(5年目)
- 内部監査業務も経験
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この記事で分かること
昇給なしでも違法ではない

会社が「昇給がなし」でも、違法ではありません。
会社の就業規則に昇給について記載することは法的に定められています。
しかし、「会社の業績や成績や能力により決定」のような記載があれば、昇給しなくても違法ではないのです。
ちなみに労働基準法では絶対必要記載事項として、必ず明示するように決められています。
参考資料 パートタイム・有期雇用労働法のあらまし(令和3年7月版)
よく勘違いするケースとして、昇給年1回=昇給する時期が年1回の意味であり、必ず昇給するかは会社次第なのです。

昇給が年齢や勤続年数が考慮される「自動昇給」と捉えていると、痛い目に合うよね。
正社員・契約社員・パート(アルバイト)が昇給なしでも違法ではない
前述の通り、正社員以外の契約社員、パートでも同じく昇給なしでも違法ではありません。

ちなみにパートタイムとは、1週間の所定労働時間が通常の雇用者(正社員)に比べて短い労働者とされています。
労働時間が短ければ契約社員、アルバイト、嘱託社員など会社によって呼び方は異なるだけで、基本的にはパートタイム労働者として「パートタイム労働法」の対象となります。
基本給が上がると賞与に反映される

昇給は基本給が上がっていく会社が大半です。
賞与(ボーナス)も基本給を基準に何ヶ月分で算出される会社だと、基本給が上がらないと賞与(ボーナス)も上がりません。

賞与の査定方法は異なるので、就業規則や上司に確認しよう。
また、賞与(ボーナス)がなしでも、雇用契約や就業規則で「業績によって支給なし」とあれば、会社側にも支払いの義務はありません。
ちなみに日本は年功序列で定期的に自動昇給している会社も多かったですが、最近は成果に応じた昇給(考課査定)で上がる会社も増えています。
昇給なしなら会社を辞める判断は正しい?

昇給なしにショックを受けて、「辞めてやる!」と考えるのは、「我慢が足りない」「甘えだ」なのでしょうか?
他人はどうであれ、その答えはあなた自身の価値観と状況次第です。
昇給ない時の退職の判断基準
- 今の仕事に何を求めているのか?
⇒お金?やりがい?スキル習得?なのか - 社会人として何年働いているか?
⇒実績もスキルもないのに転職しても給料は上がらない

転職するなら会社を選ぶ基準や自分は企業が欲しがる人材であるかを振り返ってからにしよう。
上記の問いや振り返った結果、転職を決意したなら下記の記事も参考にしてください。
合わせて読みたい
昇給なしにメリットはあるの?


昇給なしに「メリット」はあるんでしょうか?すぐに会社を辞めるつもりはないんですが…。
そうだねぇ、考え方次第では昇給なしがきっかけで転換期を迎えるかもしれないね。


慰めに聞こえるかもしれませんが、このタイミングで会社に雇われることのリスクについて考えるきっかけとして考えてみるのもいいかもしれません。
これを機に考えてみてもいいかも
- 会社に雇用されている限り、条件は左右される
- 定年も70歳まで引き上げられる世の中でこれからどう稼ぐのか?
- 会社に縛られない働き方は何か?
また、昇給なしが会社の業績悪化が理由なら、過度に忙しくない可能性もあります。
このタイミングで以下にチャレンジしてみてはどうでしょう。
副業を考える最初の一歩
- 自分のスキルの棚卸し
ココナラ:自分の得意なことを棚卸して稼ぐことを考えてみましょう。
- コツコツ初めてみる
クラウドワークス:ライティング、WEB制作、プログラミングなど請負で気軽に始められます。
- 資格を取得して独立や副業に生かす
スタディング(総合・コース一覧):スマホで学べるオンライン資格講座

何かに挑戦することでモチベーションが上がったり、本業以外で自分の適性に気づくことがあります。
会社に雇われている以上、今後いろんな不満がこれからもでてくるでしょう。
それなら、今後は「会社に縛られない自由な働き方」について考えてみてもよいでしょう。
昇給なしでモチベーションが上がらない時はどうする?

昇給がなしでモチベーションが出ないのも無理はありません。
簡単に辞めるわけにもいかず、この場合は以下を考えてみてはどうでしょうか。
昇給ない時の退職の判断基準
- 守破離という言葉を考えてみる
- 副業を考えてみる
- どうにもならないなら転職する
すでに副業についてはすでに紹介しましたので、ここでは1つ目の「守破離」(しゅはり)ついて紹介します。
日本の古くからある茶道や武道、芸術など「型」を段階を表す言葉です。
- 守(型を守る):教えられた基本を忠実に守り基本を習得する。
- 破(型を破る):創意工夫をして新しいものを取り入れる
- 離(型を離れる):型から離れて独自の境地を切り拓く
上から「守⇒破⇒離」の順で、あなたが今の仕事でどの段階がを振り返ってみましょう。

「離」の段階までできているなら、転職を考えてもいいと思うよ。
副業や転職は自分にある程度自信を持ってから挑戦する方が成功しやすく、自信を持って転職活動ができるからですね。
合わせて読みたい
この章で紹介した「守破離」については、「精神科医が教える ストレスフリー超大全」(樺沢 紫苑 著)でも紹介されています。
勇気を出して昇給なしの理由を聞いてみる

昇給がないこととなれば、気になるのは当たり前です。
本来は会社側から説明があるべきですが、直属の上司に時間をもらって聞いてみればいいのです。
難しいことではないのですが、なぜ理由を聞けないのかは、「昇給なし」が自分だけで評価が低いことを聞くのが怖いからですね。

私でも確かに怖いです。ただし、聞くことで何らかの解決方法が見出せるかもしれません。
勇気をもって今聞くことで以下を知ることができます。
- このままこの会社で働いていていいのか?
- もし自分の評価が低いならどこが悪いのか?
- 今の仕事が合っていないかもしれない?
自分が今の会社で仕事をすることがあっているかを客観的に判断することができるんです。

これは自己評価が高く、評価に自信を持っている人ほど上司の評価とのギャップに気づいてないかもしれません。
そういう意味でも客観的な評価を聞くことがプラスになるということですね。


実際に評価に納得いかず、退職する人もいますが、感情的にならずに真摯に受け止めて、成長につなげるべきだと思いますよ。
もちろん、理不尽な評価結果というケースもあるでしょう。その場合はこの会社に居続けるかも含めて考えるきっかけになります。
昇給なしでも冷静になって今何をすべきかを考える
この記事では昇給なしは違法ではないか?という問題に対して解説してきました。
いくら法で労働者が守られているといっても、実際の昇給のありなしについては、会社に一任さており、違法ではないという結論でした。
昇給がないから、会社を辞める決断をする前に以下を考えてみましょう。
まとめ
- 「守破離」(しゅはり)を考えてみる
- 転職する前に今の会社で習得できるものがないかを考える
- 副業を試してみる
会社の「昇進なし」という状況は変えられませんが、自分の会社や自分に対しての考えは変えられます。今なにかできるかを考えてみましょう。