給料明細を見て天引きされる社会保険料や「税金は上がるのに給料が上がらない・・」とショックを受けて、給料上がらないなら退職を考えたことはありませんか?
入社して給料があがらない理由は、日本の雇用慣行や企業経営方針などが影響しています。
この記事では、給料が上がらない理由を紹介しながら、給料を上げる対処法について紹介します。


この記事の要点
給料が上がらないのは日本の雇用慣行も原因
若いうちから給料は上がらない
何と比較して給料が上がらないのかリサーチする
給料上げるのは転職が最も早いが失敗のリスクもある
収入を増やすなら起業や副業もある
記事の結論が知りたい方は、下の「この記事で分かること」からジャンプしてくださいね。
この記事で分かること
給料上がらない理由とは?

給料が上がらない理由は、いくつかの要因があります。ここでは、給料が上がらない理由をみていきましょう。
若いうちは給料は低い
20代の若手といわれる世代は給料は、残念ながら劇的には上がりません。
古くから続く年功序列の給与形態の会社なら、どうしても社歴や年齢が高い層とのバランスを取りながらの給料になってしまうのです。

以下では、厚生労働省が公表している「令和2年賃金構造基本統計調査」をみていきましょう。
企業規模別 平均月給(令和2年度)
男性の年代別平均月給
男性 | 大企業 | 中企業 | 小企業 |
~19歳 | 184,600円 | 183,300円 | 181,100円 |
20~24歳 | 222,300円 | 211,600円 | 207,600円 |
25~29歳 | 266,600円 | 248,200円 | 236,700円 |
30~34歳 | 313,800円 | 281,800円 | 266,200円 |
35~39歳 | 363,800円 | 321,100円 | 294,300円 |
40~44歳 | 403,500円 | 354,000円 | 319,800円 |
45~49歳 | 437,000円 | 379,700円 | 340,900円 |
50~54歳 | 485,400円 | 408,700円 | 347,600円 |
55~59歳 | 478,200円 | 419,600円 | 349,100円 |
60~64歳 | 330,000円 | 314,600円 | 301,200円 |
65~69歳 | 285,200円 | 280,400円 | 267,700円 |
70歳~ | 281,200円 | 275,100円 | 249,100円 |
女性の年代別平均月給
女性 | 大企業 | 中企業 | 小企業 |
~19歳 | 175,300円 | 173,000円 | 173,300円 |
20~24歳 | 219,000円 | 207,900円 | 197,300円 |
25~29歳 | 244,900円 | 233,800円 | 216,300円 |
30~34歳 | 264,400円 | 244,800円 | 226,900円 |
35~39歳 | 278,700円 | 257,600円 | 234,300円 |
40~44歳 | 289,000円 | 270,600円 | 242,400円 |
45~49歳 | 288,900円 | 273,300円 | 247,100円 |
50~54歳 | 285,700円 | 282,200円 | 252,200円 |
55~59歳 | 283,800円 | 274,900円 | 252,400円 |
60~64歳 | 237,000円 | 234,200円 | 225,700円 |
65~69歳 | 229,200円 | 211,600円 | 210,500円 |
70歳~ | 234,300円 | 212,300円 | 212,300円 |


日本の雇用慣行
日本の雇用慣行から、年功序列や終身雇用である企業が多く、日本の経済を支えてきた雇用形態です。
また、日本の雇用は簡単に従業員をクビにできない法制度のため、アメリカのように簡単にクビにすることが難しいのです。

終身雇用は終了する?
2019年10月13日に日本自動車工業会の会長会見にて、トヨタ自動車の豊田社長が「雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」との会見は話題になりましたが、もはや日本の雇用も変革期を迎えているでしょう。

会社の経営方針の問題
企業の経営方針として、先行き不透明のために人件費を抑えて内部留保(当期純利益のうち配当金に回されないお金)に当てていたり、株主への配当重視のため人件費を抑制する会社経営方針が影響しています。
企業が給料を上げない理由
- 設備投資に回している
- いざという時に内部留保として貯めている
- 株主重視のため配当へ回す
参考資料:企業はなぜ人件費を上げられないのか?|三菱UFJ銀行
給料上がらない理由で退職する判断基準

前項でお伝えしてきた通り、給料が上がらなければ「転職して給料を上げたい」という選択肢が出てきて当然ですよね。
しかし、退職に踏み切る前にもう一度、振り返ってほしい内容をここではご紹介します。
若いうちから早く稼ぎたいと思ってないか
若いうちから早く稼ぎたいと給料だけで会社を決めると後悔することになります。
仕事の適正や職場環境をしっかり考えていないため、仕事が続かない可能性があるからです。
最近は、若くして成功した人たちがYouTubeやメディアで露出しているのを見ると「自分も稼ぎたい!」というのも理解できます。

しかし、給料面だけで仕事を選んでしまうと、転職してからのギャップが埋まらず、すぐに辞めてしまう可能性が大きくなります。
例えば、後悔するケースは以下のようなケースが考えられるでしょう。
・毎月ノルマがきつく精神的に辛い
・時間外労働が多く休暇もロクに取れない
・実はブラックで離職率が高い職場だった
転職する前に、しっかりと給料以外の「仕事に何を求めるのか」「自分が大切していること」も含めてしっかりと自分の考えを持っておきましょう。
社内の給料をリサーチする
給料が上がらないといっても、今の会社の給料水準を知る必要があります。やはり基準がなければ、給料が安いのか高いのか判断が難しいからです。
また、今の会社でこれから何十年と働いた場合、将来どのくらいの給料に達するのかも確認するとよいでしょう。
お伝えしてきた通り、20代の若いうちは給料はどこへ行っても大きく変わりませんが、30代を超えてからポジションにより給料の差が明確に出てきます。
以下のような方法で情報を集めてみましょう。
リサーチポイント
- 社内で自分が出世できるか想定してみる
- 社内の給与の手当を確認する
- 先輩や上司の年収を割り出す
何と比べて低いのか判断する
年齢による平均的な給与水準はお伝えした通りですが、業界によって平均的な給料がおよそ決まっています。

給料が上がらないといって、転職しても業界自体の平均年収が低くければ給料アップは期待できません。
参考までに厚生労働省が公表している各業界の給料水準は以下の通りです。
給料のために他業界を目指す、あるいは副業などのトータルで収入を増やすことを意識するべきでしょう。

年収上げるだけのスキルや能力があるか振り返る
退職する前に自分に魅力的なスキルや実績があるか振り返ってみましょう。
給料が安いことを会社のせいにしがちですが、そもそも転職するにしても企業があなたを魅力だと思わないと給料が上がることはありません。

退職したけど、企業側の目に留まらなと採用されず、給料が上がるどころか、転職もできないかもしれないですよね。
また、給料が高いと成果を求められるので、過度なストレスや労働時間も長くなるため、メンタル面でも強いということも大切ですね。
給料を上げる4つの対処法

これまで給料を上げるために説明してきましたが、ここでは実際に給料や収入を上げる方法を紹介していきます。
給料上げる方法を相談する
今の会社を辞めるつもりがなく、給料を上げたいと考えるなら一度上司に相談してみましょう。
相談するコツとしては、給料を露骨に上げて欲しいというのではなく、あくまでも「相談」という形式で話を切り出すと良いでしょう。

また、評価システムが確立している大企業は、給料交渉は難しいといえます。給料交渉の成功が高いのは、経営陣と距離が近い中小企業といえるでしょう。
転職する
給料を大きく上げるならやはり、転職するのが最も早い方法でしょう。自分の実績や能力が他企業の求めている人材とマッチするなら、今の給料より大幅にアップすることもあるでしょう。
20代なら熱意や伸びしろ、30代なら即戦力や管理職の経験などでしょう。特に中小企業なら面接で意気投合すれば、評価が高くなる傾向もあります。
コツとして転職する際は、いくつかの転職エージェントなどに登録して、自分の市場価値を客観的か多角的に把握するように努めましょう。

関連記事【20代】初めての転職活動でおすすめ転職エージェントは?|使い方も解説
起業する
会社で雇われることに抵抗があり、もっと収入を大きく増やしたいと考えるなら自分で会社を立ち上げを考えても良いでしょう。ただし、起業したからといって年収が上がるとは限りません。

長い目でみて、給料を増やすためにはまずどの分野でどんな仕事をするのかをしっかりと考えてから、起業に踏み出しましょう。
副業
今の会社に給料面以外にそれほど不満を抱いているわけでもなく、ただトータルで収入を増やしたいなら、副業が良いでしょう。

今後、働き方がますます多様化していため、今のうちに手に職をつけて収入を得られるビジネスを育てることで、会社に縛られず自由に働くことができるでしょう。
仕事は給料だけでなくやりがいも大切
この記事では、給料が上がらない現状や上げる方法を紹介してきました。
今の会社で給料を大幅に上げるのは難しいでしょう。給料を上げるのは最短の方法は、やはり転職が最も早いかもしれません。
そのためには、転職活動で企業側に自分が魅力的な人物に映るように、しっかり実績やスキルを積み重ねることが重要です。
また、仕事は給料だけで選ぶと長続きしないリスクもあるため、転職についてじっくり考えてからにしましょう。